ヒッチコックが見事なコメディに
8時前の飛行機で、2月以来のニューヨーク。
アメリカンは国内便ファーストクラスででる朝食・昼食がベスト。
今回は食事・映画と趣味があう長年の親友と合流してお芝居と食事の3日間。
まずは125周年を迎えたばかりのブルックリン橋へ。橋の上が人であふれていて
疲れる。
お芝居の前にUnion Square Cafeで。皮付き豚すね肉がすごいボリュームながら
カリカリに焼いた皮とその下のプルプルの脂をオッソブーコ風のにんにくが効いた
トマトソースで楽しむ。オニオンのリゾットも玉ねぎの甘みたっぷりでおいしい。
本日のお芝居はヒッチコックがイギリス時代の1935年に撮ったスリラを原作にした
『The 39 Steps』。これが、どうしたものか、おかしい喜劇に。
役者は4人。巻き込まれ型主人公を除く3人(男性2人、女性1人)はひとり何役も
やる。あまり仕掛けのない舞台装置をみんなでうまく使って、およそ舞台芸人の持つ
あらゆるテクニック(パントマイム、衣装早変わり、声/表情の自在な変化等)を
駆使して、極めて忠実に映画を再現するところにおかしみがうまれる。
例えば列車の屋根の上に飛び乗った役者がそこで感じる風を表現する時には、自分で
コートの裾を握ってバタバタやる。舞台の袖にひっこんだと思ったら衣装・鬘を付け替えて
別人になって現れてくる。かぶっている帽子を変えるだけで警官役と乗客を演じ分ける。
とかね。
シーンのあちこちで、ヒッチコック映画のいろんなシーンのオマージュが。『北北西〜』
『鳥』『サイコ』とか。ヒッチコックもちゃんと出てきます。
楽屋落ちもところどころに入れて、確かな技を使って超真面目にふざけまくってる感じ
とでもいいましょうか。
で、最後は僕の好きな能天気なハッピーエンドで、微笑ましく終わるのもよろしい。
もともとロンドンで製作されブロードウェイに持ってきたもの。いくつかの部門でトニー賞
候補にもなっています。すばらしい。
これ、喜劇系役者さんがみたらやりたくてたまらないんじゃないかしら。
日本でも良い役者・芸人を使ってやれば絶対受けると思うな。
一応、DVDで映画を予習。シナリオもインターネットで探して一読して望んだので、
台詞もそれなりに楽しめました。まぁ、そういうの関係なく楽しいんだけど。
という訳で、良いスタート。