Minnelli!

 快晴だけど午前中は長袖のシャツが必要なくらい涼しいダラス。
 ほとんど空港の中にあるゴルフ場でゴルフ。上をバンバン飛行機が飛ぶ。
 どんだけ近いかというと飛行機の陰がよぎるんです。ティーショットが
 当たっちゃうんじゃないか(んな訳ないんだけど)みたいなホールも。
 またもや多叩きするホールがいくつか。これは病気だな。
 お昼はみんなで久々のスポーツバーへ。ロシアライ麦パンを使ったハンバーガ
 真っ黒なパンでした。久々にハンバーガを思いっきり食べておいしかった。


 夜は隣街のFort Worthへ。ここ、何故だか僕の故郷の長岡と姉妹都市
 何がどう姉妹なのかわかりませんが。


 今年はここにあるBass Performance Hallの10周年とのことで、今日は
 『Liza Minnelli』。あぁ幸せ。
 ダラスのMeyersonに似たホールでこっちは芝居・ミュージカルもできる
 しかけ。ダラスのミュージカルもこういうとこでやってもらいたいものです。
 
 Liza Minnelliは62歳。もう30年以上一緒にやっているというバンドと
 4人の男性歌手を従えて。高い音なんかは微妙なニュアンスが出にくい感じ
 になっていたし、何年か前にHip Surgeryをしたとの事でもうダンスは最小限
 にしかできなくなっていたけど、半分芝居っぽく唄うあのオーラ。幸せ。
 Showはあの『New York New York』をラストに、後半は、母親のJudy Garlandが
 亡くなった後、親友で母親代わりを務めてくれたKay Thompsonという人がやって
 いたショーの再現がメイン。このThompsonという人は調べると作曲家
 且つ歌手且つVoice Trainerとい多彩な人で、Minnelli母子と非常に近い関係に
 あったと。彼女がウィリアムズ兄弟(Andy Williamsに3人も兄弟がいてショー
 やってたなんて知らなかった)とやったShowが非常に良くできていて、Minneliは
 この日ウィリアムズ兄弟に見立てた4人の歌手と一緒にその再現を試みた
 というしかけ。WikipediaによるとMinneliは映画化しようとしているらしい。
 この4人の歌手、みんな中年ですが、歌が上手いのは当然として、ダンスのキレが
 良かった。ナショナルカンパニーでダラスに回ってくる人達なんかよりしっかり
 している。テキサス出身のピアニスト・作曲家クライバーンの曲も。


 歌の合間に母親とThompsonの思い出をポツポツ語るMinnelli。
 初めてMinnelliが舞台デビューした時にこっそり見に来たGarlandとThompson。
 二人とも涙がとまらなくてそれしかなかったパフを使って交互に涙を拭きながら
 観ていたと。ショーの後楽屋に来たThompsonが置いていったその涙とマスカラが
 たっぷり付いたパフはいまだに持っていると。
 ある日Thompsonがアパートの内装を変えといたわよとMinnelliに。
 ある部屋にクローゼットが3つ。一つ目を開けると素晴らしい大自然の景色の写真が
 沢山かかっている。あぁ、こういうの見ると心が安らぐのよねぇとMinnelli。
 二つ目を開けるとMinnelliが一番好きだという凱旋門からコンコルド広場までの
 シャンゼリゼ通りの写真が。あぁ、私これが一番美しくて好きなのとMinnelli。
 そお?私はこれが一番だと思うけどと3つ目のクローゼットを開けるThompson。
 そこには大きな鏡が...
 最後にThompsonと会った時のこと。アパートを出てふと上を見上げると小さな
 バルコニーに身を乗り出したThompsonが「Goodbye Liza! Happy...Everything!」と。
 当たり前ですが、上手です。最後は涙を拭き拭き。
 

 
 最初Minnelliがステージに現れてまずスタンディングオベーション。最後も何回も
 カーテンコールがあって。生で観られてラッキーでした。


 帰ってインスタントラーメンを作って食べてすぐ寝る。