またしてもあっという間の1月、久々のMax、アカデミー・作品賞候補

 夕方、東京−シアトル−カリフォルニア−ダラスで電話会議。
 8時過ぎに会社をでて出張者とMaxへ。
 今月もあっという間に終わってしまう。
 アカデミー賞の作品賞候補になっているのはこの5作品で僕が観た時の点数は以下の通り。
 僕の場合は気に入った役者・演技を見つけると評価が高い、という感じ。
 ・『Atonement』8点
   第二次世界大戦前後のイギリスを舞台にした悲しいラブストーリ。
   1935年のイギリス、お金持ちの大きな家。物語好きの妹と勝気で美しい姉。
   妹の誤解と嫉妬から出た嘘によって逮捕され引き離される召使(ジェイムズ・マカボイ)
   と姉(キーラ・ナイトリ)。やがて第二次大戦になり監獄から出征したマカボイと
   ナイトリの悲恋。後年作家になった妹がその最後の作品の中で過去を『償う』。
   それがタイトル。妹の役を少女時代、大人、晩年と3人の女優が演じわけるが、
   表情・喋り方等で本当に妹が歳をとったかのよう。作家になった晩年を演じるのが
   バネッサ・レッドグレイブ。豪華。ラブストーリは苦手なんですが、ちょっと
   捻ったプロットで最後はちょっと謎解きタッチも。良かった。
 ・『There Will Be Blood』8点
   20世紀初頭のカリフォルニアを舞台に、人嫌いで冷淡な石油掘り(D・D・ルイス)
   の半生を描く。主人公は石油採掘の為なら何でもやる。無知な人々を騙し、
   土地を借りる為に教会で洗礼を受け告白し。事故で死んだ仕事仲間のを養子にした
   子供と、異母兄弟だと偽って近づいてきた男とは、一瞬人間らしい交わりをするかに
   見えるが長くは続かない。晩年想像もできないような金持ちになっても幸せとは
   程遠い。人を憎み続ける。自分でもどうすることもできない自分以外の存在への
   憎悪をルイスが好演。何回か節目で交わる若い牧師をP・デイノ。これも良い。
   2時間半の長い映画ですが、よろしい。
 ・『Juno』7点
   子供ができちゃった高校生カップルと子供を熱望するカップル。
   Junoは主人公の女子高生の名前。養子希望の広告をだしていた
   カップルに養子に出すことにするが、カップルはその過程で
   離婚してしまう。主人公約のエレン・ペイジという俳優が良い。
   主人公の義理の母役のアリソン・ジャニー(僕と同い年)も
   良い。監督は『Thank you for smoking』を撮ったジェイソン・ライトマン
   というカナダ人。『Thank you〜』も良かった。
 ・『No Country For Old Men』7点
   たまたま麻薬取引抗争の事後にでくわして大金を持ち逃げし、その後悪魔のような
   殺し屋に付け狙われる主人公とその二人を追う老保安官の話。殺し屋役の
   ハビエル・バルデムが非常によろしい。この人を観るだけでも価値あり。ちょと大げさに
   言うと、『Die Hard』一作目のアラン・リックマン以来の存在感のある悪役。
   他にも主人公のジョシュ・ブローリン、保安官のトミー・リー・ジョーンズ等良い役者が。
   ブローリンは若い頃のニック・ノルティにそっくりで、最近気になっている役者です。
   問題は、テキサスの田舎が舞台なんですが、英語がわからないこと。保安官が着ていた制服の
   袖章によると場所は「Terrell County」。ダラスから遠くありません。
   最後は引退した保安官のセリフで終わるんですが、残念ながらそれが何言ってるか
   聞き取れず。もう一回観るしかないかなぁ。テキサスに2年いてこれだからなぁ。
 ・『Michael Clayton』7点
   集団訴訟の弁護士になった友人のトラブルに関わった主人公が、巻き込まれて死にそうに
   なって最期にどんでん返すお話し。G・クルーニーが破綻しつつある私生活を抱えて
   危機をなんとかすり抜ける弁護士を演じる。監督はボーンシリーズの
   脚本を書いたトニ・ギルロイという人。


 去年の最高点は『Bourne Ultimatum』で9点。これ以外にも『Gone Baby Gone』、『Once』、
 『I am not there』なんかの方が印象が良かった。『Bourne〜』は編集賞なんかの候補になっていますが、
 少なくとも監督賞の候補には挙がるべきでしょう。あと、しつこいですが、『Waitress』のケリ・ラッセルも
 落ちちゃって残念。